チームMSに聞いてみよう
-多発性硬化症Q&A:病気・症状のこと-
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-多発性硬化症Q&A:病気・症状のこと-
多発性硬化症(MS)の再発には、2つのタイプがあります。
1つは「臨床的な再発」です。一般的に、臨床的な再発とは、突発的に出現した新たな症状が「24時間以上」持続して認められ、発熱や感染症を伴わないものと定義されています[1]。即ち、痛みやしびれ、歩きにくい、ふらつき、視力低下などの自覚症状が出現し、それが24時間経っても回復しない場合は、「再発」の可能性がありますので、主治医の診察を受けましょう。
もう1つは「画像的な再発」です。自覚症状がなくても、MRIを撮ってみると新たな病巣が見付かることがあり、これを画像的な再発といいます。ご自身では症状や異変を感じていないにもかかわらず、主治医から「再発していますね」といわれたら驚かれるかもしれませんが、MRI病巣の新たな出現も「再発」の1つです。そのため、たとえ症状がなくても定期的に通院して、MRI検査などを受けることが大切です。
このように主治医は、今回出現した症状が新しいものかどうかを過去のカルテと照合したり、MRIで脳に新しい病巣が増えていないかなどを確認したりして、再発したかどうかを総合的に判断します。
MSの病初期では、再発が起きたとしても回復しやすく[1]、一度の再発でいきなり車椅子生活になるなどの重篤な後遺症が残ることはほとんどないと私は考えています。
したがって、新たな症状が出現した場合は、まずは「24時間」様子を見てもよいかもしれません。それでもなお症状が持続する場合は、主治医に連絡してください。
ただし、急に尿を出せなくなったり(尿閉)、突然目が見えなくなるなど、日常生活に著しく支障を来すような急激な変化がみられた場合は、24時間待つことなく、すぐにでも主治医に連絡して診察を受けてください。
再発が起きたということは、現在あなたが使用しているお薬では炎症が十分に抑えられていない可能性が推察されます。主治医に相談し、指示を仰いでください。
【回答】慶應義塾大学 医学部 神経内科 教授 中原 仁 先生
日本神経学会 監修『多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン2023』医学書院 p20 2023年