- 立ったまま、座ったままでできる運動を紹介します。
- 少しずつ筋肉を鍛えていきながら、有酸素運動にも挑戦しましょう。
- 運動前に健康チェックリストを確認して、1つでも当てはまれば休養するようにしましょう。
心血管疾患予防に自宅でもできる運動
心血管疾患の予防や高コレステロール血症の改善には運動は欠かせませんが、普段あまり身体を動かさない方にとっていきなり外で運動を始めるのはハードルが高いかもしれません。そこで、自宅でできる運動としてレジスタンス運動の中から簡単なものをご紹介します。
レジスタンス運動にはどんなものがある?
ここでは立ったまま行えるものや、座ったままで行える簡単なものをご紹介します。回数は、左右それぞれ10回/1セットから始めてみて、徐々にセット回数を増やしていきましょう。
もも上げ〔腸腰筋(腰回り)を鍛える〕[1]
- 椅子に座り、背もたれから背中を離す。
- お腹に力を入れて、ももを片方ずつゆっくり上げて下ろす。
- ももの裏は座面から離れるくらい上げる。
椅子スクワット〔大腿四頭筋(前もも)や大臀筋(お尻)を鍛える〕[1]
- 椅子に座り、足を肩幅に開く。
- 視線は前を見たまま、椅子からゆっくりと立ち上がる。
- 視線は前を見たまま、ゆっくりと椅子に腰を下ろす。膝の負担を軽減するため、股関節(足の付け根)を曲げることを意識する。
かかと上げ〔下腿三頭筋(ふくらはぎ)を鍛える〕[1]
- 背筋を伸ばして足を肩幅に開き、膝は伸ばしたままかかとを上げる。
- ゆっくりとかかとを下ろす。不安定な場合はテーブルなどの安定したものに手を添えて行う。
横に足上げ〔中殿筋・外転筋などの股関節周りの筋肉を鍛える〕[1]
- 立った状態で膝を伸ばしたまま片足を横に上げ、5秒静止して下ろす。
- 反対の足も同じように行う。不安定な場合は椅子など安定したものに手を添えて行う。
足上げ(臥位・横)[1]
- 横向きに寝た状態で上側の足の膝を伸ばしたまま上げ、10秒静止して下ろす。
- 身体の向きを変更し、反対側の足も同様に行う。
有酸素運動も追加して、より健康的な身体を手に入れよう
上記に挙げたレジスタンス運動に加え、有酸素運動を行うことでより健康な身体を作ることにつながります。有酸素運動には、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳、エアロビクスなどがあります。まずはレジスタンス運動で少しずつ筋肉を鍛えていきながら、有酸素運動を長く続けても疲れにくい身体づくりに挑戦しましょう。ウォーキングなど、手軽に始められる有酸素運動から取り入れるのもおすすめです。
運動を控えた方がよいのはどんなとき?
しかし、いくら運動が健康によいといっても、やりすぎは禁物です。心血管疾患や高血圧、糖尿病などの慢性疾患、手術歴がある方は、医師など専門家の指導を受けて実施することが重要です。
また、無理して体調を悪化させてはよくありません。運動を実施する前にご自身の体調や状態を確認してみましょう。以下のリストで1つでも当てはまれば休養のサインですので、無理に運動をせず、必要に応じて医療機関を受診することも検討しましょう[2]。
運動前の健康チェックリスト[2]
- 足腰の痛みが強い
- 熱がある
- 体がだるい
- 吐き気がある、気分が悪い
- 頭痛やめまいがする
- 耳鳴りがする
- 過労気味で体調が悪い
- 睡眠不足で体調が悪い
- 食欲がない
- 二日酔いで体調が悪い
- 下痢や便秘をしていて腹痛がある
- 少し動いただけで息切れや動悸がする
- 咳やたんが出て、風邪気味である
- 胸が痛い
- (夏期)熱中症警報が出ている
参考
-
公益財団法人長寿科学振興財団. 健康長寿ネット. レジスタンス運動の効果と方法.
[https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shintai-training/resistance.html](2025年10月29日閲覧) -
厚生労働省. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023.
[https://www.mhlw.go.jp/content/001194020.pdf] (2025年10月29日閲覧)