高コレステロール血症の患者さんで心血管疾患が起きたことのある人は、どのように再発を防いでいけばよいのでしょうか。「再発予防」をテーマに、帝京大学医学部内科学講座・循環器内科教授の上妻先生に解説していただきました。
Q. 心血管疾患を再び起こしたくありません。再発予防に向けたLDLコレステロールの目標値を教えてください。
心血管疾患が起きたことがある場合、LDLコレステロールの管理目標値は70mg/dL未満*です。心血管疾患の再発を防ぐためには、この数値を上回ることがないよう、治療を続けることが大切です。
*2022年JCSガイドライン フォーカスアップデート版 第4章 至適内科治療 P28-P29
LDL-Cの目標値:治療開始時の値より50%以上の低下かつLDL-C 70mg/dL未満
Q. 普段は症状がないので、治療を怠りがちになります。治療を継続していくためのポイントはありますか。
医師に相談して、ご自身に合ったLDLコレステロールの目標値を設定してもらいましょう。血圧手帳への記載を習慣化したり、医療機関が提供する心臓リハビリテーションのプログラムを活用したりすることも治療継続に有用です。
Q. 薬を服用していますが、病気に症状がないため効果を感じづらいです。再発予防に薬物による脂質管理療法は重要でしょうか。
重要だと考えられています。食事・運動療法だけでは数値が改善しにくい場合があります。また、高齢であまり運動ができない場合もあります。医師と相談しながら、薬による治療も続けていきましょう。
監修:
上妻 謙(こうづま けん)先生
帝京大学医学部内科学講座主任教授・循環器内科教授。総合内科専門医、循環器専門医、日本内科学会専門医制度審議会専門委員、評議員、日本循環器学会社員、日本心血管インターベンション治療学会理事長なども務める。