サポートされていない古いバージョンのInternetExplorerを使用しているようです。ブラウザを最新バージョンのMicrosoftEdgeに更新するか、Chrome、Firefox、Safariなどの他のブラウザの使用を検討することをお勧めします。

人生100年時代の眼の健康情報サイト

加齢黄班変性は「たまる水」に注目!

監修 : 東京女子医科大学 眼科学講座教授・基幹分野長 飯田 知弘 先生

「たまる水」とは

滲出型加齢黄斑変性における「たまる水」とは、加齢で新しく生えてくるもろい血管(新生血管)からの出血や滲出液が黄斑にたまってしまうことを指します。

滲出型加齢黄班変性における「たまる水」の説明図

この「たまる水」により、滲出型加齢黄斑変性では視界がゆがんだり、真ん中が見えなくなったりしてしまいます。

滲出型加齢黄班変性における「たまる水」の説明図

治療では、「たまる水」を作ってしまう新生血管をおさえこみ、「たまる水」を減らした状態を長く保つことが、将来的な視機能の維持にとても大切になります。

滲出型加齢黄班変性における「たまる水」の説明図

監修 : 東京女子医科大学 眼科学講座教授・基幹分野長 飯田 知弘 先生

治療における「たまる水」の重要性

滲出型加齢黄斑変性では、「たまる水」を作ってしまう新生血管を減らす治療を行います。「たまる水」を減らした状態を長く保つことがポイントになります。代表的な治療法をご紹介いたします。

1.抗VEGF薬療法

薬で新生血管の発育を抑えます。

抗VEGF薬による治療(イメージ図)

2.光線力学的療法(PDT)による治療

注射剤とレーザーで新生血管だけを壊す治療です。

光線力学的療法(PDT)による治療(イメージ図)

3.レーザー光凝固術による治療

レーザーで新生血管を焼き固めます。

レーザー光凝固術による治療(イメージ図)

「たまる水」が抑えられているかどうかで病状や治療の方針が判断されます。なお、治療には良いところも悪いところもあります。眼科医とご相談ください。

「たまる水」を検査で見る

「たまる水」の状態を確認するための検査が、OCT検査(光干渉断層計検査)です。網膜や黄斑の様子を撮影します。「たまる水」がある状態、ない状態のOCT検査写真を見比べてみましょう。

「たまる水」について眼科医と相談している女性のイメージイラスト

以下は、「たまる水」がある状態、ない状態のOCT検査写真です。OCT検査の結果を診察の時に画像などでみせてもらえると、眼の状態がわかります。治療への手応え、納得感を持って前向きに続けていくためにも、「たまる水」について眼科医と相談してみましょう。

「たまる水」がある状態のOCT検査写真
「たまる水」がない状態のOCT検査写真

眼底検査や蛍光眼底造影検査なども、新生血管をみるために行われることもあります。

「たまる水」を確認するタイミングと聞き方

眼科医に対して、聞きたいことが聞けなかった経験がありませんか?「たまる水」について聞こうと思っても、そのタイミングと聞き方は難しいものです。
眼科医が質問に答えやすいタイミングは、検査結果を患者さんやご家族に一通り説明した後です。検査の結果説明を受けた後、もし「たまる水」について話がなかった/聞き逃したら、そこで一つ二つ質問できるとスムーズです。

検査結果は◯◯ですね。では・・・
たまる水について、先生にどうやって聞いていいかわからない。。。どうやって聞いたらいいの?

こんな風に聞いてみましょう

先生、ちょっと教えてください。「たまる水」について、いま質問してもよろしいでしょうか? 先生、ちょっと教えてください。私の眼の奥の「たまる水」を見ることはできますか? 先生、ちょっと教えてください。私の眼の奥には「たまる水」がありますか? 先生、ちょっと教えてください。「たまる水」を減らすには、どんな治療がありますか? 先生、ちょっと教えてください。私の眼の奥の「たまる水」は前回より少なくなっていますか?

上の聞き方の例を参考に、ご自身でアレンジして先生に尋ねてみましょう。
聞くタイミングを逃した場合、診察の最後などに聞いてみても大丈夫です。

監修 : 東京女子医科大学 眼科学講座教授・基幹分野長 飯田 知弘 先生

「たまる水」メモ

いざ診察室で「相談内容を忘れた」「なんと相談すれば良いかわからない」とならないように、事前に相談内容を確認できるメモをご用意いたしました。下のボタンからダウンロードしてPCやスマホに画像保存できます。診察前の待合室などで確認しましょう。また、「たまる水」が検査できる機器「OCT」はすべての眼科にはご用意がありません。眼科専門医を受診するようにしましょう。

「たまる水」メモ

監修 : 東京女子医科大学 眼科学講座教授・基幹分野長 飯田 知弘 先生

滲出型加齢黄斑変性で気をつけるべき4つの「た」

「たべもの」「たばこ」「たいよう」「たまる水」この4つのことを指します。「たまる水」を忘れないためにも普段から覚えておくようにしましょう。

滲出型加齢黄斑変性で気をつけるべき4つの「た」

たべもの
抗酸化ビタミン、ミネラルを含む食品や、緑黄色野菜をバランスよく食べましょう。

たばこ
網膜の細胞に悪影響を及ぼしてしまいます。
喫煙は禁物です。

たいよう
日光を避けるために帽子やサングラスを着用しましょう。

たまる水
滲出型加齢黄斑変性の治療では、黄斑の「たまる水」をなくしていくことが大切です。「たまる水」がない、もしくは少ない状態が続けば、良い状態を保っていると考えてよいでしょう。治療に手ごたえを感じるためにも、「たまる水」について眼科のかかりつけ医に相談しましょう。

監修 : 東京女子医科大学 眼科学講座教授・基幹分野長 飯田 知弘 先生