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SMA(脊髄性筋萎縮症)とは

からだを動かすとき、筋肉の動きは運動神経によって調節されています。
SMA(脊髄性筋萎縮症)は、この運動神経が変化または消失していくことで、筋肉の力が弱まり、運動機能が障害される病気です。
SMAを有する患者さんの割合は10万人に1人といわれています[1]。日本での患者数は約1,500人と推定され[2]、非常に稀な疾患です。そのため、SMAは小児慢性特定疾病や指定難病に指定されており、これらの制度によってさまざまな公的支援を受けることができます。

SMAでない方とSMA患者さんの運動神経細胞と筋肉

SMAでない方とSMA患者さんの運動神経細胞と筋肉

SMAの原因

SMAは遺伝子の疾患です。
SMAの患者さんでは、運動神経生存遺伝子(SMN遺伝子)※1の欠失または変異※2(持っていないまたは変化している)によって、運動神経の生存に必要なSMNタンパク質が十分につくれなくなります。その結果、運動神経の働きを保てなくなり、筋緊張低下、筋力低下や筋萎縮(筋肉がやせ細る)といった筋肉の変化があらわれます。
SMN遺伝子にはSMN1遺伝子とSMN2遺伝子があります。SMN1遺伝子がメインの遺伝子として十分な量のSMNタンパク質をつくり、SMN2遺伝子はバックアップとして働くため、SMN1遺伝子が欠失または変異しているSMA患者さんは、SMNタンパク質を少ししかつくることができません。
SMAの治療は、いかに正常SMN1遺伝子と同じように十分な量のSMNタンパク質をつくることができるようになるかが鍵となります。
※1 運動神経の生存や機能維持に必要なタンパク質を産生する遺伝子です。
※2 遺伝子の変化には、含まれている遺伝情報が通常と異なる場合と、遺伝子自体が存在しない場合があります。

SMAでない方とSMA患者さんのSMN遺伝子と運動神経細胞(イメージ図)

SMAでない方とSMA患者さんのSMN遺伝子と運動神経細胞(イメージ図)

SMAは、父親と母親が保因者で、それぞれから受け継いだSMN1遺伝子の両方がどちらも欠失または変化している場合にのみ、発症します(両親が保因者の場合、1/4(25%)の確率でお子さんがこの病気になります)。
父親または母親から受け継いだSMN1遺伝子のうちどちらか1つだけ欠失または変化している場合、SMAは発症せず、保因者となります。保因者は一生涯SMAを発症することはありません。

欠失または変化したSMN1遺伝子を両親から1つずつ受け継いだ子どもにSMAが発症

欠失または変化したSMN1遺伝子を両親から1つずつ受け継いだ子どもにSMAが発症

早期治療の重要性

SMAは進行性の疾患です。
治療を開始した時期が早ければ早いほど、治療効果が高いことがわかっています。
今では治療薬の選択肢も増えて、治療をすることで、現在できることを維持できる可能性があります。
SMAと診断されたら、できるだけ早く治療を始めることが重要です。
気になる症状がある場合はすぐに医師または医療従事者へ相談することをお勧めします。

SMAの診療相談を行っている医療機関

治療のタイミングと治療効果(イメージ図)[3]

治療のタイミングと治療効果(イメージ図)
  1. 伊藤万由里ほか:東女医大誌. 2013; 83: E52‒E57.

  2. Ito M, et al. Brain Dev. 2022; 44(1): 2-16.

  3. Sumner CJ, Crawford TO. J Clin Invest. 2018; 128(8): 3219-3227より改変